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<敬称略・順不同>

テクテク、ガッシャン、ゴトンゴトン。小道具の山の中から飛び出す音たちはとにかく愉快!フォーリースタジオは音の宝箱だ。その蓋を、伝説の足音職人フー・ディンイー氏が開けて見せてくれる。台湾映画の複雑な歴史と、それを生きてきた巨匠たちのスゴい話が聞ける貴重なドキュメント。

小山吾郎 (フォーリーアーティスト)

台湾映画を支えていたフォーリーアーティストの存在を初めて知った。
私たちが日常で普段使っているあんなものやこんなもの、たとえばゴミのようなものさえも、彼の手に掛かるとたちまち生き物となり音を出し始める!!
正に映画界の魔術師です。

田中麗奈(俳優)

自分の捨てきれない「好き」を、
力の限りやり続ける。
もっと聞かせて!もっと教えて!
と話しかけたくなる。
古さや新しさの壁を越えて、
何を守り、何に情熱を捧げようか。
これから作っていきたい、
理想の風景を想像しました。

入山法子(女優)

身の周りの品々で効果音を創作し画面に貼り付けるフォーリー・アーティストのファンタジックな音響哲学は、同時録音=リアリズムの時代の到来で転換を余儀なくされる。その画期を越えてなお至高の音を追求する寡黙な台湾映画人の姿から、知られざる東アジアの映画史が見えてくる。

石坂健治(東京国際映画祭シニア・プログラマー/日本映画大学教授)

胡定一という先達の姿を拝して、彼の自分の仕事に対する誠実さとその創造力に、私は敬意を覚える。その一方でこの作品が完成された後もなお、台湾映画業界が更なる変容を続けている事実を思う。その変遷が温故知新であることを願い、本作品がそのきっかけにもなるのではないのか、と考えたりした。

小坂史子(映画制作業)

音を創る。想像力と創造力を駆使し、アナログ的手法で生み出されていく効果音の数々。これらをアートとして昇華させ、総合芸術である映画のパーツとして組み込んでいくフォーリー・アーティスト。デジタル化時代に向き合う職人としての葛藤と矜持、そして悲哀。華語映画史のアナザー・ストーリー。

馬場克樹(俳優・ラジオパーソナリティ)

台湾映画はどのように音と関わってきたのだろう。台湾ニューシネマは、耳を澄ませば世界には様々な音があり、無意味に思える音も気配となって世界を形創っていることに気づいた。だから、フー・ディンイーは映画に音で生命力を与える。手法はアナログだがぬくもりがある。

稲見公仁子(台湾映画研究家)

フーさんの音作り人生を敬意を込めて描いた『擬音』には、台湾ニューシネマをはじめ映画の宝物が満載で感激の連続でした。
侯孝賢監督と脚本家の朱天文さんが出会うきっかけを作った『少年』の1シーンもやっと観られました!

樋口裕子(翻訳家)

『映画を見る際必ず映画館で見るべきだ』と映画通の人はよく口にする。
その理由の一つは映画館だけでしか感じることのできない音だと私は思います。
その音を作ってきた胡定一氏を中心に台湾映画界のレジェンド達の話が出てくる度に鳥肌が立ち、台湾の映画と関わってきた私自身も初めて知る事など、中華圏の映画を作る人達の過去や未来、情熱が一度に感じれる重厚な映画でした。

朝井大智(俳優)

新世代の音響作家たちの自信と希望に溢れる姿が印象に残る。映画の中である音響監督が語っていた「我々は外国に30年以上遅れをとっていた。だが現在は世界と対等に実力で戦える。我々の業界はまだ発展途上だ」という意味の言葉を私たち日本の音響技術者は深く心に留めるべきである。

弦巻裕(映画録音技師/Sound Design YURTA)

『ようこそ映画音響の世界へ』が世界最大の映画帝国における音響ヒーロー達の「アベンジャーズ」だとすれば、この映画はアジアの小国のダンジョン(映画界)でフォーリーアーティストという職に辿り着き、技術を磨いて生き抜いた寡黙な男の静かな冒険の物語だ。

北田雅也(音響演出/フォーリーアーティスト)